経営者が今すべきこと⑤

全国で営業自粛が続く中、事業者の存続に向けて色々な取り組みがなされています。

例えば、飲食店向けでは、休業中の店が少しでも収入を得られるようにとコロナ終息後に使えるチケットを今販売するというものがあります。

自治体などが運営しているケースもあり、それなりの効果が上がっているようです。

しかし、ここで一つ気を付けなければならないことがあります。

それは、将来、チケットを持って来たお客様に対して、その時期に仕入れた材料で作った商品を提供しなければいけないということです。
すなわち、来店時に掛かるコストを賄う収入をその時期に得られないということです。

まあ、チケットを買った人の何割かは応援目的だったり、あるいはチケットを買ったことを失念するなどにより実際には飲食しないでしょう。
しかし、多くの顧客がチケットで飲食することになる。

今、資金繰りを回すための資金としてチケット代金を使ったとして、その時のコストはどう賄いますか?

そこまで考えて導入しないと、大変なことになる可能性は否めません。

何を言いたいかと言うと、どんな施策にせよ将来を見据えた上で取り入れることが大事だということです。

「(目先の)得を取って(長期的に)損する」になってはいけないと口酸っぱく言ってますが、長期的な視点がないと、その場は乗り切れてもやがてほころびが生まれるのは間違いありません。

コロナは必ず終息します。
何故なら、中世ヨーロッパでのペストも大正時代のスペイン風邪も近年のアフリカにおけるエボラ出血熱もその流行は終息しました。

だから、終息することは間違いないのですが、問題はそれがいつになるのかでしょう。
正直、今の時点ではわかりません。

夏の暑い時期になれば収まるという意見もあれば、ワクチンができるまで終息が望めず、それは1~2年後という意見もあります。

つまり、夏には終息するとした場合、秋ごろになると想定する場合、来年になると想定する場合、2年後と想定する場合と、さまざまな可能性を想定し、それぞれのケースでどうすれば良いのかを考えておくことが大事なのではないでしょうか。