国の新型コロナウィルス感染症対策の目的と期待効果

新型コロナウィルス感染症の流行により、7都府県に緊急事態宣言が出されて早2週間余り。
4月16日から対象地域が全国に拡大されるとともに、先に対象となっていた7都府県に加え、当社の所在地である京都府を含めた6道府県が「特定警戒都道府県」に指定されました。

外出の自粛等により人的接触8割削減が目指されており、それによって経済の発展に不可欠なヒト(人間)の流れが停滞する事態となっています。
多くの人が集まる店舗や施設などは休業要請が出され、今後の事業に目処が立たないというお店や企業も多い状況です。

メディアはいち早く給付金を支給した欧州などの例に取り、日本の対応が無策なように報じていますが、実はそうではありません。
日本政府はまだ感染者が数えるほどだった2月の時点から既存の制度を拡充するなどによる企業支援、生活者支援を行っています。
なぜ、政府が国民の支持を集めやすい給付金支給よりもそういう対策を優先させたかというと、

企業の倒産防止と雇用の維持

を最優先したからです。

一時金の支給は、その時点では国民が一息つけるかも知れない。
しかし、そうしている間にも経済活動が停滞し、立ち行かなくなる企業が出て来る。
そうなると職を失う人も大量に発生することになる。

そうなってから資金繰り支援や雇用対策をしたところで後の祭りです。

そうならないため、融資という形であっても政府系金融機関などでの売上が減った企業に対する支援の枠組みが整備されるとともに、雇用調整助成金というもともとある制度を拡充することで雇用維持を図ったのです。

こうした企業-主に中小企業の事業継続と雇用維持を最優先したのは、コロナ終息後の迅速な経済活動の回復を促進するという意味もあります。

コロナが収まり、経済を動かす大きなファクターである「ヒト」の動きが回復した時、企業が健在ならばすぐにもモノ(製品・サービス)、カネ(お金)が動き、経済へのダメージを極限まで抑えることができるはずです。

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欧米などではすでに失業者が増えているという話もあります。
中小企業の倒産防止ができなかった国では人の動きが回復しても、経済活動を元のレベルに戻すことが難しくなります。

日本の対策はメディアやそれを真に受けた人達に「補償がない」「スピード感がない」などとの批判を受けながらも、見えないところで一環としてコロナ後を見据えた経済対策を粛々と行って来たのだと感じます。